マヨヒガへの道

東方関係、主に霖之助と少女達のお話。時々旅行記。

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お使い

pixivに投稿してたお話。
小悪魔が主、霖之助が空気になってしまいました。






「ここが香霖堂ですか」

私は目の前にある建物を見上げ看板を確認しました。

「なんか変な店だね」

一緒について来た、ここぁがそう呟きます。
確かにちょっと変わってるけど、私はこういう雰囲気は大好きです。

「さ、見て居ても仕方がないわ、早く用事を済ませましょう。」
「はいは~い」

レミリアお嬢様ほどでは無いですが、太陽の光は少し苦手です。
種族的に苦手という訳では無く、人間と同じように暑いですし日焼けなどが気になります。

「こんにちは」
「こんにちは~」

ドアを開けお店の中へ入ります。
最初は明暗の差で中の様子がよく判らなかったのですが、目が慣れてくると店内の様子が判ってきました。
その……一言で言うと「整理されて無いなぁ」という印象でした。
でも、こんな薄暗い所というのは落ち着きます。

「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」

お店の奥で椅子に腰掛けているこの方が店主さんでしょうか?

「紅魔館、パチュリー・ノーレッジの使いの者です」
「ああ、紅魔館のパチュリー様ですね……少々お待ち下さい」

そういうと店主さんは店の更に奥へ消えてしまわれました。

――ぽふっ

「ねぇねぇ、これ買ってみない?」

ここぁが私の腰に飛びつい来てて、手にしている物を見せびらかします。
見た目は手首が妙に細い腕、といった感じでしょうか。
全体的に白っぽく、不思議な光沢があります。
肘にあたる部分からは細長いヒモが一本ひょろっと出て、終端部分は私たちの尻尾のような物がついています。

「こら、あんまり触らないの」
「はいは~い」

流石に使い道の判らないものを買うわけにはいきませんので、元の位置へ戻させる事にします。

「お待たせしました、こちらになります」

そんなやりとりをしていますと、店主さんが奥の部屋から出てこられました。
持っている紙袋を二つ机の上にそっと置き、もう二回り大きな紙袋へ纏めて下さいました。

「いつものメイドの方はどうされましたか?」
「今日はレミリアお嬢様と神社へ出かけておりまして、代わりに私がこちらへ」
「なるほど、そういうことでしたか」

具合でも悪くされたのかと思いましたよ、と店主さん。
私たちとは違い人間の身体は脆いですから、そう思われるのも仕方がありません。

「それでは、こちらのお代についてですが」
「はい、パチュリー様から預かっております」

「この封筒ごと渡すように」と受け取った封筒をポケットから……無い。
あ、こっちじゃなくて反対側に……も、無い
血の気がサァッと引いていくのが判ります。

「どうかされましたか?」

店主さんが訝しむ様にこちらを見ている気がします。

「え、あ、その、いえ!」
「こぁ……もしかして」
「ち、違います、お金が無いとかそういうのでは!」

いつの間にか側にいたここぁの一言で、私はポロッと真実を口にしてしまいました。

「……」

ああああ、店主さんの視線が痛いです。
ど、どうしましょう。

一人でワタワタする私を尻目にここぁが前に出て店主さんと話し始めました。

「店主さん」
「……なんだい」

ニコッと可愛らしく微笑むここぁと、仏頂面の店主さんの表情が対照的です。

「お金以外の物でも良いかな?」
「それに見合った対価を支払ってくれるのなら、お金で無くても構わないよ」

ここぁが支払いの意志を示したことで、店主さんの表情が少し和らいだ気がします。

「大丈夫、店主さんなら絶対満足するよ」
「見ない事には何とも言えないね」

上手く交渉が纏まりそうです。
でも、ここぁは何か持って……え?ここぁ、何でこちらを見てい――

「それじゃ、これでお願い」
「きゃっ!」

油断しきっていた私は、後ろに回り込まれたここぁにドンッと押されてしまいました。

――トン、トン
どうにかバランスを取ろうとするのですが。

――トサッ
耐えきれずにそのまま店主さんに受け止められてしまい……ました!?。

「流石に人身売買はして無いのだが」
「こあを売った訳じゃないよ、でも売ったような物だけどね」
「どういう意味だい?」

おとっ、お、お!
お、男の人が!

「こあを好きに使って良い、ってこと~」
「つまり、労働力を提供、という意味で受け取って良いのかい?」
「もちろん、昼間に働かせても良いけどメインは夜のオ・シ・ゴ・ト」

ニヤッとした顔で私の方を見るここぁ。
多分そんな顔だったと思うのですが、その時の事は良く覚えてません。

「こぁは~見た目通り中身も清純だし~真面目なんだけどね~」

ただ、この時はとても良い笑顔だった事だけは覚えています。

「スイッチ入るとすっごいんだよ~」
「……そう言われても困るのだが」

本当に困ったような店主さんと目が合い、そのまま視線を逸らす事が出来ずに。

「……ぁ」

限界を超えてしまった私は、そのまま気絶してしまいました。







――んっ……だれかいるの?

ボンヤリとした視界に人影が映っていました。
誰だろう、パチュリー様やここぁとは違って大きな人影。

――あ、てんしゅさんだぁ……

もう一人の私が正体を突き止めました。
店主さんはた私に気がついた様で、こちらに近づいてきました。

――てんしゅさんいいカラダつきだなぁ……

仰向けに寝かされいた私は上半身を起こし、伸ばしてきた腕を掴みスリスリ。

――なんだかおいしそうにおいもするし……

抱きついた腕から何とも言えない甘い香りがします。
このまま、もう一人の方に身を任せても良いかな?
店主さんもイヤじゃ無いみたいですし……

「おっきろー!!」
「こぁっ!!」

ここぁの掛け声と共に、頭に強い衝撃が。

「大丈夫かい?」
「大丈夫だよ、多分」

店主さんの問いかけに適当に答えるここぁ。
本当は大丈夫ですけど大丈夫じゃありません。

「いたたた……」
「おはよう、こぁ」

振り向くと清々しい笑顔で問いかけてくるここぁ
その背後で大弾がスウッと消えるのが見えました。。

「ほら、起きた起きた」

ここぁが私を布団から引きずり出そうと腕を引っ張ります。
いつの間にか私は布団の中に入っていたようです。

「早く帰らないとパチュリー様にお仕置きされるよ?」
「え?でもお代が……」

そうです、確か私がお代をどこかで無くして、それでここぁが……

「お代ならもう支払ったよ?」
「えっ?」

いつの間に?と思い店主さんの顔を見ると……目線を逸らされました。
そんな、まさか、嘘ですよね?

「こぁが気絶したあと大変だったんだよ?」

私の不安をよそにここぁが話を続けます。

「動かなくなったかと思うと、いきなり店主さんに飛びついてさぁ」

き、聞きたくありません!

「そのまま店主さんを押し倒して……」

終わった……終わってしまいました。
そんな事をしてしまうなんて。
絶対店主さんに嫌われてしまいます……

「そのまま食事を始めそうだったから、大弾で後頭部に一撃を食らわせたんだけど」
「……はい?」
「どうも当たり所が悪かったみたい」

ここぁは舌をペロッと出して「テヘッ」とわざとらしく笑っていました。






ここぁが私に飛びついたときにポケットから封筒を盗んだそうです。
封筒はもう店主さんに渡して、中身は確認済みとの事です。

「軽くからかおうつもりだったんだけど、ごめんなさい」

私が気絶した後、店主さんに布団を用意してもらい、気絶した私をここぁが運び込んだそうです。
最初は店主さんが運ぼうとしたらしいのですが、ここぁがそれを強く拒んだみたいです。

「だって、店主さん絶対こぁの妖気に当てられるよ」
「僕は半妖だから大丈夫なハズだが」
「半妖だろうが全妖だろうがオスだからダメだよ」

私たちは夢魔の一種ですから、オスを誘惑する事が出来ます。
程度の差はあれ人妖問わず、無差別に襲うことが出来るのです。

「さっきだって、こぁに掴まれた時、店主さん大変だったよね?」

あ、また目線を逸らされました。
何というか、その、私のせいだと思うと少し恥ずかしいです。

「それに、こぁはそーいう無節操なのは嫌いみたいだからね」

夢魔なのに変だよねぇ、と付け加える。

「……わかった」

ここぁの説明に納得して頂けたようです。

「それじゃ、てっしゅー」
「その、ご迷惑をお掛けいたしました」
「ああ、まぁ、事故みたいなものだから、そんなに気に病まないでくれ」

ここぁが紙袋を掴み、元気よくお店の出口に駆け寄っていきます。
私はまだ店主さんに向かって頭を下げお店を出ました。

「まったねー」

お店から少し離れたところでここぁが大きく手を振ります。
すると店主さんが軽く手を挙げ答えてくれました。





「ねぇ、こぁ」
「なぁに?」

「店主さんの事、イヤじゃないでしょ?」
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  1. 2011/05/31(火) 22:46:48|
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