マヨヒガへの道

東方関係、主に霖之助と少女達のお話。時々旅行記。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

盤外の思惑 Aルート

pixivに投稿してたお話。

K氏「大将棋対戦中の椛とにとりが霖之助に見られてモジモジする姿をっ!」
私「そんな餌に俺様がクマー!」

……だったもの。途中から別な物になったのは言うまでもなく。






「も~み~じ~」
「きゃぅ!」
「そんなに気合い入れて何処へいくのかなぁ?」

 こんな事を聞いているけど、行く先は一つしか無いって事を私は知っている。
 一張羅を引っ張り出して、紅までしっかり差してまぁ。
 この気合いの入れ方が椛らしいといえば椛らしい。

「もぅ、にとりー」
「あっはっはっ、ごめんごめん」

 やれやれ。
 しかし、椛もあの朴念仁の何処に惚れたんだか。

「それで?何処へ行くのさ」
「ええっと、香霖堂なんだけど……」

 あの日、霖之助と二人きりにするのは少し不安だったんだよね。
 や、霖之助は良くも悪くもあの通り、手を出したりそういう事はしないだろうけどさ。
 時たま見も蓋もないこと言いそうじゃない?

「ほほぅ、近頃は香霖堂通いがご熱心ですなぁ」

 将棋盤を置いて帰ったときは不安が的中したのかと思って少し焦ったよ。
 話を聞こうにも俯いたままで何も教えてくれないしさ。
 ま、落ち着いてから話を聞いたら何て事無かったんだけどね。

「うん、霖之助さんと将棋の約束をしたからね」

 しかし、まぁ。
 椛も霖之助の事を下の名前で呼べるようになったみたいだし。
 少しずつ良い方向に前進している、かな?

「にとりも一緒に行く?」

 んーどうしようっかな。
 邪魔するのも悪いような気もするんだけどね。

「おっけー、ちょっと待ってね」

 ま、ちょっと様子を見てみようじゃないか。

「ところ将棋の方はどんな感じなんだい?」
「霖之助さん、覚えるのが早くて……
 このままだとあっと言う間に抜かれちゃいそう」
「確かにねー、将棋とか囲碁とかそういうの得意そうだもんなぁ」

 私が直感派なら霖之助は理論派、かな?
 外の道具一つ取っても、道筋立てて理論的に考察してるしね。
 ちょいとばかし偏屈なのが考え物だけど。

 そんなことを考えていると、あっと言う間に香霖堂に到着した。
 ここまで結構、距離があるハズなんだけどなぁ。

「こんにちは」
「おや、いらっしゃ……なんだ、にとりもいたのか」
「なによー、私が居ちゃいけないの?」
「いや、そんな事は無いさ。ただいつもは椛だけだから予想外でね」
「ふはは、その油断が命取りになるのだよ霖之助くぅん」
「……なんだいそれは?」

 私も何が命取りになるのかさっぱりだよ。

「あ、そうだ、霖之助。私と一局指してみない?」




「僕とにとりがかい?」
「そそ、それで椛は隣で霖之助に教えてあげる、と」

 ”初めての共同作業”って訳じゃ無いけど、二人で指すことで連帯感が生まれるじゃない?
 そうすれば、椛と霖之助の仲が少しは進展するかなって。
 ま、半分は椛の反応を見て楽しみたいんだけどね。

 なんて事を目論んでたんだけど。

「ふむ、それなら君らの対局を見せて貰えないだろうか?」
「私らの?」
「ああ、駒の動きも分かるようになってきた所だ。
 ここらで一つ本格的な勝負を見てみたくてね」

 確かにねー。
 最初はサッパリだけど、分かるようになってきたら観戦も面白いよね。

 いや、それにしてもさ。

「本格的って……霖之助、ちょいと大げさじゃないかい?」
「なに、僕からしてみれば同じような物さ」
「あーはいはい」

 よくもまぁ、いけしゃあしゃあと口に出来るもんだね。

 でもまぁ。
 持ち上げられていると分かっていても、ちょっと嬉しくなるじゃないさ。

「どうする椛?私は別に構わないんだけど」
「うん、私も大丈夫だよ」
「おっけー、それじゃ上がらせてもらうよー」

 深く考えずに、何の気無しに快諾したまでは良かったんだけど。

「……」
「……」
「ふむ」


 対局が始まってから時たま呟く霖之助の様子が気になってしょうがない。
 観客付きの勝負自体はそう珍しくは無いんだけど、ここまで熱心に見られると何だか調子が狂っちゃうよ。

「ほぅ……」

 ちらっと椛の様子を窺うと、私と同じ様な感じでどうにも居心地が悪そう。
 パッと見は平然としてるから分かりにくいんだけど、丁寧に梳いてた真っ白な尻尾を膝の上にのせている。
 霖之助に馴れてる私だって居心地が悪いもん、椛だと尚更だよね。

 まったくこの男ときたら……

 駒を打ち終えてから、こそっと霖之助の様子を窺う。
 無論、私らの葛藤なんて知る由もなく、黙々と棋譜を書き込んでいる。

 しかし、こう改めてみると霖之助って整った顔をしてるよね。
 
 見た目はひねくれてるし、屁理屈ばかり言う所為か、老けてるように見えるんだけどさ。
 目がすっごく綺麗なんだよね。
 外の道具を夢中になって調べてるときなんかホント、男の子みたいに目を輝かせて。

「――い、と――」

 そうそう、こんな感じの目なんだけど、もうちょっとキラキラして……

「にとり、聞こえてるのかい?」
「ひゅいっ!?」
「……ボーッとしてるみたいだが大丈夫か?」
「う、うん、だいじょうぶ大丈夫」

 うう、顔が近いよぅ……

「手を考えるのに時間が掛かるのは仕方ないが。ちょっと長すぎじゃないか?」
「あ、あはは、ごめんごめん」
「僕は構わないけど、椛が待ちくたびれてるだろう」
「あーはいはい、わかりましたよーだ」

 軽い口調とは裏腹に、心臓が痛いくらいに早鐘を打ってるのが自分でも分かる。
 おおお、落ち着け私!

「まったく困った奴だ……なぁ椛?」
「……」

 返事が無い椛の方を見ると、ボーッとした様子で霖之助の方を見ている。

「椛も、聞こえてるのかい?」
「え……はっ、はい!」

 ふと我に返ったのか、いつも以上に焦ったような返事を返す。
 それに、膝の上で丸くなってた柔らかそうな尻尾が棒のようにビシッと伸びきってる。

「君まで……まったく二人して一体どうしたというんだい?」

 「まったく」はこっちの台詞だよ。
 私らの気持ちも知らずにこの男ときたら……

 恥ずかしいのと何かもやもやした気持ちがぐちゃぐちゃになってきた。

 だから。

「……霖之助が悪い」

 とりあえず、霖之助の所為にしておこう。
スポンサーサイト

  1. 2011/05/31(火) 23:02:49|
  2. SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<盤外の思惑 Bルート | ホーム | あめのねこ ~とらまる しょう の ばあい~>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://rapter999.blog89.fc2.com/tb.php/16-727d7d9f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

らぷこ

Author:らぷこ
[渡る気かい?]

p
あ、こっちにも上げたりしてます。

リンクフリーです。

すくすくの経県値

最新記事

最新コメント

カテゴリ

管理人より (1)
SS (25)
酷道・写真 (10)
その他 (5)
雑記 (1)

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。